子ども・まちづくり塾

TDWの会場内には来場者のドリンクを買って休憩できるソクラテスカフェがある。
そのカフェにはステージが設けられており、そこで毎日イベントやTVの公開収録などが行われている。
今日このソクラテスカフェで、子ども・まちづくり塾の公開プレゼンテーションがあった。
プレゼンを行うのは青森県弘前市に住む中高生の子供達4名。自分達が住むまちの課題について考え、将来どのような街にして行きたいかをワークショップを重ね本日TDWの舞台で発表した。
会場にはワークショップに特別講師として参加されていた、建築家の伊東豊雄さんと大西麻貴さんの姿も。成長した教え子を送り出すような眼差しが印象的でした。
まちづくりは4グループにわかれ提案。各グループの代表者が模型を前にプレゼンスタート。
Aグループ 「わんだいの枡形」
わんだいとは津軽弁で私たちと言う意味らしい。そして桝形とは江戸時代に外敵からの侵入を防ぐために設けられた街路の形状で、今回の提案ではその桝形を歩車分離とし見通しの良い駅前広場にするプランである。そして駅の建て替え計画も同時に行い、雪解けをイメージした配色と形状にした駅舎の屋根が街のアクセントになっていた。駅と言う街の起点を人が集まり楽しく過ごせる提案でした。

 

Bグループ 「あずはし」
土淵川の整備と橋を架ける計画。駅前の公園に橋を架け街と公園を繋ぐ。橋は波をイメージした流線形をしており、橋の上でもおのおのの過ごし方ができるようなスペースを計画していた。
なんと言ってもこの橋の形状。中高生の子ども達がこの形状を生み出したことに驚きを隠せない。
Cグループ 「紫の和と輪とわ」
恋人の聖地と言われるラベンダー畑の緑地を生かした作品。大きくダイナミックなラベンダーのドームを設け、その内部に椅子やテーブルを置いて、コミュニテイの場を提案。ラベンダーの香りが漂う木漏れ日の下で過ごす1日は気持ち良さそう。

Dグループ 「りんごの下で一日中」
吉井酒造煉瓦倉庫のコンバージョン案である。この案何がすごいかと言うと、まちの住民にこの街に何が欲しいか…アンケートを取ったところにある。何が必要であるかを知る行為は素晴らしい。マーケティングは新しいモノを築く時には最も重要である。 そして生まれたのが図書館・カフェ・レストランである。3つの要素を壁で仕切らず本棚で緩やかに仕切る。既存建物を最大限生かした計画である。

どの案も生まれ育った街の10年後の姿をイメージして、特別な思いで取り組んだ素晴らしい作品であった。
そして、大人顔負けの堂々としたプレゼンテーション。未来の建築家は育っていると感じた。建築の道に進まなくても、今回の弘前市のまちづくりに参加した子どもたちは、これから大人になり社会にでる上で貴重な経験をしたに違いない。正直羨ましい。
弘前市にはモダニズム建築の巨匠 前川國男さんの建築が多数存在する。まだ青森には行ったことがないので、近いうち行こうと思う。
そして、弘前の子ども達が思い描いた10年後の街を、その地にたってイメージしてみたいと思う。